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2020/10/28 12:21


皆様 物の価値ってなんだと思いますか?

例えば「ブランド品の価値」「車の価値」「家の価値」人それぞれ考え方や感じ方は色々あると思いますが一つの基準として価値を表せるのが「金額=お金」です。

今日はそんな「物の価値」をテーマに感動したジュエリーにまつわるお話をご紹介します。

 

 

 

 


先日bellemourのお客様からリペアの依頼をいただきました。

リペアとは今あるジュエリーのデザインを変更して再利用すること。


お客様からの依頼は、

お客様が20歳の時に祖母からいただいた指輪ですが、デザインが古く今では使いにくいのでネックレスに変更してほしい、ストーンは3ctほど、祖母からもらったのは今から25年ほど前で今では祖母の形見となってしまったので、常に身に付けておきたいので変更してほしい。

 

 

 

 

 

 


「もし将来お金に困ったり生活に困ったらこの指輪を売りなさい、必ずあなたを助けてくれるものになるから、この指輪はおばあちゃんのお母さんからもらった指輪。
もし貴方がお母さんになった時生活が裕福であればあなたの子供、もしくは孫にこの指輪をあげなさい。」

そー言われていただいた物なので、本当に高価な物か私にはわからないけど、大事な物だから知らない人には預けたくなくて、もしよければbelleamourさんにリペアをお願いしたいです。

と一言お話いただきました。

リペアをする商品をお預かりに行きますね。

私は京都から離れた地方まで、大切な物なのでお預かりに出張に出かけました。

お客様は現在、シングルマザーで子育て奮闘中との事でしたが、
お会いした時の印象は、とても丁寧な方で小学生のお子様が2人いるとの事、普通の小綺麗なお母さんと言う感じ。

どうも、新幹線を降りた駅の近くの喫茶店で打ち合わせ。

スタッフと2人でお客様とお会いし、カフェでお話をさせていただいてる時。

実は最近祖母が亡くなりまして、昔にもらった指輪を祖母の形見で身につようと思ってね。
私は宝石には詳しくないのですが、なんせデザインが古いから私にはつけれないんです。

指輪のサイズも合わないし、おばあさまからお金に困ったらこれを売りなさいって言われたけど、宝石の価値とかも良くわからないから置いておいたの。

 

 

 

 

 

 


シンプルなデザインで仕上げてもらえますか?

そう言われて小さなジュエリーケースから出てきたのは昔ながらの大きなブルーの石がついた指輪でした。

これ年代物ですねw

商品はかなり古いし指輪には傷が沢山、石はそこそこ大きいが爪でドーンと止まってるだけの指輪。

これは流石に今はつけれないですね。。。

そんな話をしながら軽くお客様の要望を聞かせていただき、小一時間ほどたった後

一度お預かりさせていただいてデザイナーにデザイン作らせてもいいですか?

とお客様に承諾をいただき指輪をお預かりする事に。

そして帰りの電車の中で一つだけ気がかりな事が

「お客様は宝石詳しくないって言ってたよな。。。。」

指輪には傷が多くて年代物の指輪。
もし見えない傷が石についてたら指輪から外した時に石が砕ける可能性もある。
そーなるとリペアはできない。
けど見た感じは石は大丈夫そうだけど。。

とスタッフと話ながら、私は実はもっと違う事が気がかりでした。

次の日、リペアの条件等々をお客様にご連絡させていただいた時

すみませんが、石に傷があると指輪から外した時に石が砕ける可能性がありますので、一応専門の職人にみてもらってからにしますね。

それと一つ私が個人的にですが気がかりな事がありまして、この宝石を鑑定に出させていただいてもいいですか?

天然の石だとは思うのですが、おばあさまからいただいた時、おばあさまはこの宝石の価値について何もお話していませんでしたか?

とお伝えさせていただきましたが、

宝石の価値は何も、ただお金に困ったらお金に変えなさいとだけ。。。

10年ぐらい前に一度いくらぐらいなのか見てもらいに持っていった事があるけどその時も10万円ぐらいって言われて、それから宝石の価値とかは何にも気にしてませんでしたけど

そうですか.......

了解です。

一応念のため鑑定と検査に出させていただきますね。

大変申し訳ないのですが、先ほどお話した通り、もし石に見えない傷などありましたらリペアはお断りさせていただく可能性もございますことをご理解ください。

また結果が出ましたら連絡させていただきますね。

 

 

 

 

 

 

 


とお話させていただき、お客様にご了承いただいた後、

鑑定士に連絡してお預かりした宝石の鑑定をお願いしました。


これ天然のブルーダイヤモンドですね。

あ、やっぱり。3ctのブルーダイヤモンドって、マジか。。。

鑑定士の結果こちらの宝石は3ctを超える天然のブルーダイヤモンド、汚れでくすんでしまってはいるけど正真正銘天然のブルーダイヤモンド、しかも傷はほとんどなくクオリティーは最高級で現在の金額にすると約1000万は超えます。

ブルーダイヤを見逃したのか、それともお客さんを宝石を知らない人と思って適当に金額つけたのか、10万とか言った業者ひどいな。。。

いや、天然のブルーダイヤとなるとリペアの話もまた違う話になってしまう。
もしこの指輪に少しでもリペアの際に傷をつけてしまったら、もうブルーダイヤの価値は半減以下、万が一石を割ってしまったら責任は取れない。。。

けどお客様はおばあさんの形見として、今までタンスに置いてたジュエリーをこれから身につけようと考えて行動した所だし、belleamourとしてもお客様の期待には応えたい。

んーどうしよう。。。

やっぱり事情を説明してお断りさせていただこうかな。

と悩みに悩んで、そして自分の中で葛藤し、本当にどうしようかと考え、1週間後申し訳ない気持ちでお客様にご連絡させていただく事にしました。

1週間ぶりですね、お久しぶりです、今お時間少しいいですか?

はい

いつも通り丁寧な物腰でお返事いただき、私も気苦しくなってしまいましたがとにかく事情を説明しようと。

あの実はあのおばあさまからいただいた指輪の件ですが、少し私の口からはお伝えしにくい事なのですがよろしいでしょうか?

ええ


実は鑑定の結果が出まして、あの指輪自体はPt900なので素材はg計算で10万ぐらいなのですが、真ん中にドーンとついてる石がですね、天然のブルーダイヤモンドという結果で、クオリティーは最高級です。

しかも奇跡的に石自体には傷もほとんどなく現在ではとても希少価値の高い素晴らしい商品で、金額にしますと1000万前後で取引される宝石になります。

もしリペアの際に少しでも傷が入れば価値は半減以下、万が一石を割ってしまう可能性もあるので、この金額の宝石のリペアは石に保険をかけたり、金額ははりますが、万が一の場合に責任の取れる大手のリペア業者に依頼される方がほとんどです。

お客様には本当に申し訳ないのですが私としてもかなり悩んでます。

もし何かあれば責任は取れないですし、弁償もできません。

お客様には私としては大切な指輪のリペアのお話を直接いただいたのに大変心苦しいのですが、3つの選択を提案させていただいてもいいでしょうか?


指輪を購入してくれる業者を紹介しお金に変えて新しい宝石を購入する。

bellamourのお見積もりの5倍はしますが、リペアの大手を紹介する。

belleamourでリペアするが、万が一の場合責任は取れない。


少しの沈黙が続いた後、

「belleamourさんでお願いできますか?」

え・・・・・・・

ちょとお客様マジですか?

belleamourでもやりますけど。。。本当にいいんですか?

お客様これ今すぐ売っても少なくても1000万近くのお金に変わりますよ。

いやマジで。本当に本当に本当にいいんですか?・・・・・

 

 

 

 


おばあちゃんからもらった時、お金に困ったらお金に変えなさいって言われたけど、私は今、裕福ではないけど困窮するほどは生活には困ってないし、シングルだけど子供達とは幸せに生活しています。

昔に持って行って見てもらったのも興味本位だけ。

それに少しお金かけて大手にっていうけど今の私にはそんな贅沢はできないし、

 

 

 

 


あのね、宮島さん。

今の私にとっては、あの指輪はおばあちゃんとおばあちゃんのお母さんからの思い出や人生が形に変わった物なの。

この深くて、長くて、お金には変えられない、人生の思い出を私も自分の子供達に受け継いであげたいって、今は本当に思うんですよね。

だからお金には変えられない価値がこの指輪にはあると私は思うんです。

私はそれに気づいたんです。

おばあちゃんが亡くなった時に・・・

だからタンスにしまって置くのはやめて、私も自分で身に付けて、おばあちゃんやおばあちゃんのお母さんみたいに・・・・

 
自分の子供達のためにも、私の人生をこの宝石に吹き込まないとって。


宮島さんbelleamourさんでお願いできますか?

・・・・・・・

今度は僕が無言になってしまいました。

沈黙の間、私はお客様のお話を聞き深く考えた結果、自分の心が動かされました。

お客様の期待を超えれるように職人と打ち合わせを重ねて、皆様の人生のストーリーにふさわしい物を完成させます。

失敗は許されないですが、繊細に慎重に頑張らせてください。

私は大人気もなく電話口で涙を流してしまいました。


そしてこの出来事からもう一度深く考えるようになりました。

 

 

 

 



「ジュエリーの価値ってなんだろう」

ジュエリーって一生物だけどお金で購入する物。
買った時やもらった時の満足は、その瞬間が一番大きい、けどジュエリーって一生物なんだから、自分で買った物やいただいた物をどう長く深く使うかによって物の価値って高くも低くもなるんじゃないかなってすごく思う。

モアサナイトって言う宝石はダイヤより輝き、ダイヤと同じぐらい硬いストーン。
一生物に相応しく数百年身に付けれる宝石。

これを購入していただいた全ての人の人生のストーリーが数十年、数百年続き、お金には変えられない価値を長く深く吹き込んでほしい。

そんな気持ちにさせていただいたお客様のストーリーでした。

現在はこちらのお客様のデザインが決まり加工中のブルーダイヤモンド。モアサナイトを脇石に使っていただきとっても素敵なデザインに仕上っています。

これからお客様の人生のストーリーを含めたブルーダイヤモンドのアップデートが始まります。

「next is yuor + ∞」

belleamour

また書きます。

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